2010-07-22

<わかりやすさ>の勉強法

2010年7月22日
<わかりやすさ>の勉強法
研修委員長 田村幸大

指導医になると研修医やコメディカルなど周囲のスタッフにレクチャーをする機会が
多くなります。
また、私は看護学生に呼吸器と腎臓の講義もしています。

色々な方々と出会って感じるのは、”本当にわかっている人の説明はわかりやすい”
という事です。
難しい概念について「なるほど!」と思わず膝を打ちたくなるような説明が展開され
ます。小学生でもわかるような説明をしてくれます。

一方で難しい言葉、妙に格調高い言葉を使いながら、その言葉の意味を訊ねてみると
曖昧な返事しか無い事があります。やたらと難しい言葉が並んでいるものの、何を言
わんとしているのか理解不能な文章に出会うこともあります。そんな時は「なんて難
しい議論が出来る人なんだ!」という気持ちよりも、「本当に理解してこの言葉を
使っているのかな?」「難しい言葉を使って自己満足に陥っているだけではないのか
な?」なんて思ってしまいます。

さて、そんな<わかりやすさ>の勉強の仕方の本を読みました。

<わかりやすさ>の勉強法
http://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2880547

「そうだったのか!池上彰の学べるニュース」が毎週放映されており、「よくニュー
スで聴くけど本当の意味は何なの?」という事項や用語について、池上彰さんが非常
にわかりやすい解説をしてくれます。
その池上彰さんの勉強テクニックが公開されており、なるほど!と思いながら読み終
えました。

内容は情報収集の方法、プレゼンテーションの方法、文章の書き方、相手の話の聞き
方など多岐に渡ります。

わかりやすく説明する方法や話の聞き方は、患者さんとのコミュニケーションの参考
にもなります。

720円(税別)の新書ですので、詳しい内容は購入して読んで頂くとして、「おわり
に」を引用します。

「勉強するからこそ、自分は何がわからないかがわかってきます。自分は何もわから
ない、何も知らないじゃないかと知ることによって、また勉強しようという気になっ
てきます。勉強すればするほど、自分に何が足りないかということがわかってきま
す。そして、それを勉強しようと思う・・・・そんな営みが、とても大事なことだと
思うのです。」

猛烈に勉強して成長している研修医に負けないよう、自分も勉強し続けなければいけ
ないと思いながら本を閉じました。



3 件のコメント:

  1. 木村 圭一2010年7月24日 2:08

    田村先生お疲れ様です。
    先生の講義は大変わかりやすいです。先生の弟子達の講義もわかりやすいです。日々の努力のたまものだと思います。
    研修医の先生達も見習って頑張りましょう!そろそろ学生さんが見学に来ますから、学生さんに分かるような説明を心がけましょう。
    ところで最近研修医の先生達のエントリーがありませんが、、、、、
    毎日文章を書く事も分かりやすく伝える訓練になりますので是非お願いします!

    返信削除
  2. 田村 幸大2010年7月24日 10:04

    木村先生
    コメントありがとうございます。
    このような本を読んで「如何にわかりやすく話すのか」という勉強もしていますが、一番心がけているのは「頼まれた勉強会や講演会は必ず引き受ける」ということです。
    いくら本を読んで勉強していても、実践が無ければ「畳の上の水泳」になってしまいます。本で読んだコツを実践しなければ決して上達しないので、実践の場は必ず引き受けています(もちろん自分が知らない分野の依頼は断りますが)。
    また、依頼を断るのは1回目までは許されるものの、2回断ると3回目の依頼は無くなるそうです。
    実践の場を少しでも増やそうと心がけているので、少し先の時期になってしまっても、出来る限り依頼を受けています。

    返信削除
  3. 木村 圭一2010年7月25日 7:36

    そうですね。何でもそうですが、気持ちが大事ですね。
    研修医の先生への指導も、テクニックではなく(もちろんわかりやすく教える技術の勉強も大切ですが)気持ちですね。この人たちに出来るようになってもらいたい!と言う気持ちがないと駄目ですね。
    今度来て頂ける寺澤先生も講演を断った事はないそうです。
    私も講演を断った事ありませんが、今まで2回しか頼まれていません(^.^)。

    返信削除

コメントの記入者の欄は「名前/URL」を選択してください。


記入は名前だけでもかまいません(^_^)。