2008-02-27

処置の善し悪しは気持ちの問題でもあります

2008年2月27日

処置の善し悪しは気持ちの問題でもあります

研修委員長 木村圭一


 "http://202.133.118.29/trainee_doctor/archives/2008/02/post_65.php">前回の記事でも書きましたが、
処置と言うのは弓道と通じる物があります。今回もその話です。


 的に当たる事を的中と言います(解説するまでもないですか)。この「中」と言う字は当たると言う意味で、
的を矢が貫いた様を表しています。弓道と言うのは不思議なスポーツで、的を狙うとかえって当たらない事があります。また、
当たらなくてもいいや、、、と思っていても当たりません。無の境地(中庸)に立った時に当たる訳です。


 ちなみに中村中(あたる)
という歌手がいるようです。上から読んでも"http://www.yamamotoyama.co.jp/main.html">山本山、下から呼んでも山本山みたいです。


 処置も同じような事が多いです。点滴をさす場合、入れてやるぞ!と思ってもダメな事がありますし、指導医がいるから自分がダメでも、
、、、と思っても入りません。この患者さんのために、、、という気持ちだけで入れないといけません。


 良く言われる事がいくつかあります。


 針は一つだけ用意すべし 複数用意すると複数使う羽目になるから、、、一発で決めると言う心構えで望むべし。

 自分が一番上手いんだと思うべし 他にこの点滴を入れられる人間はいない!自分が入らなかったら患者さんは困るんだ!と思うべし。


 他に思いつきませんでしたが("http://202.133.118.29/trainee_doctor/archives/2008/01/post_38.php">3つ言わないとダメでした(^.^))
、例えば研修医の先生が入らなかった時に、指導医が入れてしまえるのは、経験があるからだけでなく、入れられなかったら恥ずかしいとか、
入らなくてもこいつが何度も刺した後だから俺のせいじゃないとか、色々な気持ちが違うからです。
気持ちの問題ならば研修医だって指導医に負けないはずですので、皆さんも色々思う事を変えながら処置を行ってみて下さい。


 それから、正射必中と言う言葉もあります。正しい打ち方、正しい心で矢を放てば、必ず当たると言う訳です(詳細は忘れましたが、
的は決まった距離、決まった高さ、決まった大きさです)。医療の現場では、上手く点滴などが入らないと、
介助してくれた看護師さんのせいにしたり(小児科では特に患児を押さえてくれる人の技術が重要です)、この人は血管が細いから、
この人は太っているから、、、、等と自分の責任ではないとしてしまう事があります。しかし、正しい点滴八節(以前の記事を参照)
を行えば入るはずだと言う気持ちで、きちんと手技を行うよう努めたいものです。


 中心静脈ラインを入れる時に、ガイドワイヤーが動くかどうかを確認するようにうるさく言っておりますが、
これをおろそかにする人は上手くならないでしょうし、人に教える事も出来ないと思っています。



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