2009年6月11日
春の珍事!?
研修委員長 田村幸大
例年、見学の学生さんは春休みや夏休みなどの長い休みにたくさん来られます。
それが今週は5人もの学生さんが実習に来られます。
さて徳洲会グループ全体の見学学生数の一覧が出ました。
当院は4月・5月の2ヶ月間で17名の実習生を受け入れました。
これは徳洲会グループ37研修病院の中で湘南鎌倉(56名)、千葉西(25名)、宇治(20名)、茅ヶ崎(19名)、札幌東(18名)、湘南厚木(18名)に続く、7番目に多い数字でした。
まるでパリーグで楽天が首位を走り続けているかのような違和感すら覚えます。
陸の孤島にある当院は、説明会で学生さんに声をかけてもろくに話を聴いてもらう事さえ出来ずにいたにも関わらず、何が起ったのでしょうか?
採用試験の時に学生さんから当院を志望した理由を聴くとよく言われる事があります。
1.雰囲気の良さ
2.内科や外科など基本となる診療科の指導をきちんと受ける事が出来る
3.救急から在宅まで一貫して患者さんを診る事が出来る
以下、私なりの解説をします。
1.雰囲気の良さ
これは色々な診療科の医師が学生さんの面倒をよく見てくれるという事です。例えば内科を回っている実習生に、外科の医師が「処置をするけど見に来ない」と声をかけてくれたり、時間が空いて休んでいたら循環器の医師がレクチャーをしてくれたりという事が”非常に教育熱心な病院”という印象に繋がるようです。
またコメディカルをよく褒めてもらっています。学生さんが手技をやると当然説明しながらになり、時間が余計にかかりますが、それに協力をしてもらえたという経験が非常に印象に残るようです。
以前、朝礼の時に私が話しましたが、学生さんは仮免のドライバー、研修医は若葉マークのドライバーです。運転に慣れているドライバーの中には邪魔に思う人もいます。しかし、当院では仮免や若葉マークのドライバーをあおる人がいないのです。早く流れに乗って運転が出来るよう、協力してくれるのです。どんなベテランも昔は新人だったという事を忘れずにいてくれるのでしょう。
この良い雰囲気は一部の医師が頑張ったところで簡単に作る事が出来るものではありません。
2.内科や外科など基本となる診療科の指導をしっかり受ける事が出来る
多くの学生さんからよく言われます。基本をしっかり勉強してから応用(専門)の勉強に入りたいという声が非常に多く、基本的な領域の指導を十分に受ける事が出来ない病院は、その時点で選択から外れるようです。
3.救急から在宅まで一貫して患者さんを診る事が出来る
地域で一番多くの救急を受ける一方で、救急で担当した患者さんをそのまま入院、外来・在宅まで診る事が出来る。大病院になると分業制になり、その部分が十分に出来なくなるので、患者さんを一貫して診る事が出来る当院で研修を受けたいという学生さんが何名かいらっしゃいました。
以上の理由の中に特定の医師の名前を挙げる学生さんがほとんどいなかった事を嬉しく思いました。
なぜなら研修は一部の医師だけで出来るものでは無いからです。
当院の研修医募集のパンフレットに「研修に必要なものは四つしかありません。たくさんの患者さん、熱心な指導医、研修を支えてくれるコメディカル、そして一生懸命な研修医です。」と私は書きました。
2年間の研修で特定の医師からのみ指導を受け続けることは出来ません。ローテーションで色々な診療科を回りますし、当直でも色々な指導医と組みます。研修医の診察や手技にじっくり付き合ってもらえるコメディカルの存在も大切です。指導する方も総力戦で臨まなければならない訳です。
特定の医師の名前が挙がらないという事はその総力戦を認めてもらえているという事です。
一部の医師の力だけで研修医を集めていれば、いつか続かなくなります。一部の医師に頼っていては5年後も10年後も確実に研修医を育てる事が出来る病院にはなれません。志を同じくして頑張ってくれる研修医を育て、5年後も10年後も良い研修が出来る病院として存在し続けなければなりません。
今回の事を”春の珍事”で終わらせないよう、そしてたくさんの学生さんが「一度は見てみたい」という病院になれるよう、これからも総力戦で頑張ります!
千葉の精神科医見習さん
返信削除お久しぶりです!
嬉しいコメントありがとうございます。
先生も頑張って下さい。
千葉の精神科医見習さん、大隅鹿屋病院の良さがよく分かって良かったですね〜。自分が研修した病院と言うのはやはり思い入れがあります。田村教授も大隅鹿屋病院で研修されたのですから、、、、
返信削除是非立派な精神科医になって帰って来てくいやん!!