研修医 今井
大隅鹿屋病院では2ヶ月に1度、CT読影のための勉強会(CTカンファ)を行っています。講師は、沖縄中部徳洲会病院にいらした堀川義文先生です。堀川先生は全国の徳洲会病院でCTカンファを行っていて、大隅鹿屋病院には11年前からきてくださっているとのこと。
CTカンファでは、1年次研修医から順に読影をしていきます。自分の順番が回ってくる前は結構緊張します。そう、それは判決が下されるのを待つ被告のよう。
CTを前にして読影していくわけですが、1年次研修医には少し優しくて、
「腸は閉塞しているの?してないの?」
「麻痺性イレウスなの?機械性イレウスなの?」
「穿孔しているの?してないの?」
と言った感じで、2択の質問にしてくれることが多かったです。ここで大事なのが、“引き”!!答えがわからなくても、“引き”が強ければ、1/2の確率で判決が下されるのを先延ばしにすることが出来ます。まあ、単に正解を口にしただけで、正解にたどり着いたわけではないのですから、その後に確実にやってくる
「じゃ、その根拠は?」
と言う質問で確実に有罪が下されてしまうのですが・・・
CTカンファのすごいのは、研修医だけではなく上級医まで参加しているところ。昨日で言えば、外科医長の奥田先生、救急部長の木村先生をはじめ7名もの先生、そしてなんと副院長の利光先生まで参加していました。そして、なんとびっくり、上級医は傍聴人としてではなく、被告人として裁判に出廷していました。その様子はさながら東京裁判のよう。堀川先生は上級医を容赦なく裁いていきます。上級医には
「利光先生、これ読んで」
と、いきなり難易度全開で迫ります。しかし、そこは歴戦の強者。堀川先生の尋問を簡単にかわしていきます。流石です。
CTができるようになるコツを利光先生が教えてくれました。
「勉強しなくても、11年間CTカンファに出てれば出来るようになるんだよね~」
石の上にも三年、CTカンファで裁かれて11年と言ったところでしょうか。
今井先生、CTカンファレンス、と院外CTカンファレンスお疲れ様でした。
返信削除これからも頑張りましょう!
ちなみに、堀川先生はただ答えを言ったり、画像の異常を指し示しただけでは許してくれません。根拠が重要です。
アメリカの専門医試験では、適当に正解を導き出すと答えが分からない場合よりも減点されるそうです。患者さんに適当な診療をしてはいけないので、分からない時には分からないと、別の医師に聞くべきだと言う事です。堀川先生もアメリカにおられましたから、そのスタンスでカンファレンスをやっておられます。
普段の診療も同じようにただ暗記するのではなく、根拠を求めるようにしましょう。
我々は求められたら根拠を提出できるよう日々努力したいと思っています。
これは作法なんだ、決まりなんだとか言わないように気をつけます。
利光先生のお言葉は利光先生だから言える事で、若い先生達は勉強しましょうね。
返信削除お分かりだとは思いますが。
ちなみに、私も11年間教えてもらっていますが、先生達以上にインターネットで勉強していますよ。だから負けません!
http://www.qqct.jp/
木村先生
返信削除コメントありがとうございます。
利光先生のお言葉は、院外カンファがかなり盛り上がった時に言われた事ですので、冗談だと思います。あっさりCTを読影されているあの姿は、努力なしでたどり着けたとはとうてい思えませんから。。。
先生方以上に頑張らないと永久に
近づけませんから、次回からのCTカンファに向けてもっと頑張ろうと思います。