2008年1月23日
セールスマンとの共通点
研修委員長 木村 圭一
失敗談ばかり書いているので、恥ずかしい気もしますが、、、、はい。
私が研修医になった頃は、今話題のC型肝炎がやっと分かり始め、インターフェロン治療が始まった時でした。
当時は肝硬変になってしまっている人にはインターフェロン治療をしない事になっていたので、肝生検が必須でした。指導医の先生達は、
医者になったばかりの私に全部その処置をさせてくれました。他の先生は忙しかったからとは言え、良く素人同然の私にさせてくれたな、、、、
と思います。
時々、検査結果が「皮膚です」なんてのもあり、肝生検に慣れてきた頃の話です。
ある患者さんが私の肝生検を受けるために入院してこられました。入院する時には、
入院する病気と直接関係なくてもレントゲンとか尿検査をします。やった検査は全部見ないといけませんから、、、、
レントゲンを見ると胸水が少し溜まっています。指導医の先生と相談して心エコーをしました。拡張型心筋症の疑いと言う事でした。
循環器の先生に相談し、心臓カテーテル検査をする事になりました。病状説明をしましたが、患者さんは、
そんな検査は受けたくないと言うのです。そうですか、、、じゃあ仕方ないですねと答え、循環器の先生に報告すると、それはいかんでしょ!
絶対必要だよ!と言われました。再び循環器の先生が説明すると、患者さんはそういう事なら受けますと言うのです(+_+)。
後で指導を受けました。「医者はセールスマンと一緒なんだから」と言われました。自分が売る商品に関してはきちんと知っており、
素晴らしい商品なんですよ!と思っていないと売れません。私は、心臓カテーテル検査の必要性について理解していなかったから、
患者さんに伝わらなかったのです。確かに、何故症状もなくて、たまたま見つかっただけなのにカテーテル検査なんてしなくちゃいけないのか?
と思っていたのでした。
色々な指導医の先生に教えて頂き、感謝すると同時に、今の自分は当時の指導医みたいに、
あるいはもっと優れた指導医になっているかな、、、、、と思います。
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